米国州別の最大企業

「本社所在地」の企業同士で比較して，各州で最大の売り上げの企業をマッピングした図を見つけました。(出典：https://www.broadviewnet.com/blog/2015/06/largest-companies-by-revenue-in-each-state-2015-map)

世界の企業の売上高はhooversなどで調べることができますが，上位は小売のウォルマート(WMT)や石油のチャイナ・ペトロリアムやロイヤル・ダッチ・シェル，エクソン・モービル(XOM)，そして自動車のトヨタやフォルクス・ワーゲンなどが占めています。

利益という意味ではアップル(AAPL)などのシリコンバレー企業が際立っていますが，売り上げという意味では，やはり生活の土台である小売やエネルギーや自動車が桁違いに大きいことが分かります。

あと消費者独占企業であるナイキ(NKE)やコストコ(COST)なども当然名前が挙がっています。

本社所在地同士で比較しているので，必ずしも有名な企業ばかりが現れるわけではありません。どちらかといえば地方ごとの特色が出ているのが面白い点です。たとえば，ネバダ州はカジノ・リゾート大手のラスベガス・サンズ(LVS)ですし，ネブラスカ州はバフェットのバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)です。

こうした各州のトップ企業を見ていると，20〜30年後の小売業の巨大企業を発見できるかもしれません。ウォルマートも元はアーカンソー州の片田舎のバラエティ・ストアから出発し，つぎつぎと地方都市を席巻したのちに世界最大の小売業者に上り詰めました。どんな企業も最初は地元でNo.1になるというのが第一段階であり，その時点で将来の成功がほぼ決まります。

というのも，様々な小売業者の創業記を見ていると，ビジネスモデルには爆発的な成功を納めるにいたるティッピングポイントがあるようです。ホーム・デポ(HD)やマクドナルド(MCD)も，うまくいくビジネスモデルが発見された後は比較的すんなり拡大路線に乗ることができています。（もちろん，資金的に無理して拡大戦略をとった場合はかなり苦境に陥ることがありますが。）一番大事なのは，創業期・黎明期の企業としてのブランドも体力も無い時期にどれだけビジネスモデルに磨きをかけることができるかです。

一度，ある地方でトップに上り詰めたあとは，資金と人材という二つの経営資源が許す限りのペースで拡張を続けることができます。小売(フランチャイズなども含む)のビジネスモデルというのは汎用的なので，一箇所で成功すれば全米各州に展開するのはさほど難しいことではありません。

織田信長が地元尾張・美濃を統一するまでの時期が最も苦労しており，その後は加速的に人材(優秀な家臣)と資金(石高=米)を含めて獲得し，勢力を拡大して言ったのと似ています。

以下の州別トップ企業リストには私が聞いたこともない企業がいくつも含まれていました。これから順番に調べていこうと思います。